熱絶縁工事を工場などの配管に行う際に必要となるフランジカバーとは

フランジカバーとは

フランジカバーとは、配管に取り付けるラッキングカバーの1つであり、配管の接合部分に対する専用のカバーのことです。ラッキングカバーには、様々な種類があります。

• ジャケット（直管部）
• エルボカバー（曲がり部分）
• バルブカバー（弁体部分）
• フレキカバー（フレキシブルホース）
• フランジカバー（フランジ）

取り付ける配管の場所や形状に合わせて様々なラッキングカバーがあり、その中でフランジ部分を覆うために用いられるのがフランジカバーです。

そもそも「フランジ」とは？

フランジは、配管に取り付けられるつば状の接続部品です。「配管と配管」や「配管と機器類のノズル」などの接続に使用されます。内部の詰まりをはじめとして、分解や取り外しが必要な配管に対して頻繁に採用される継手です。

基本的にフランジは、円盤状の形をしています。中央に配管を通す大きな穴があり、その周囲にボルト固定のための小さな穴がいくつか開けられています。

ボルトで固定しているため、外してスライドさせるだけで取り外しが可能であり、万が一漏れが発生しても配管自体が腐食していなければ締め直しで対応することが可能です。また、フランジを用いた配管の接続は、ねじ込み式の接続方法と比較して密閉性や漏れにくさ、接続強度の面で優れています。

フランジを用いた接続部は、直管部と比べて突出のある特別な形状をしています。そのため、ラッキングにおいては専用の形をしたカバーが必要です。

フランジカバーの取り付け方

フランジカバーは、薄い金属の板を板金加工して作成します。2つの半月型カバーを組みあわせて、1つのフランジカバーにすることが一般的です。

まず、胴体部分を一枚板から板金ハサミで切り取り、丸い形に折り曲げます。そして側面部分を半月系の板に切り取り、胴体部分を差し込むことで、フランジカバーの円筒形が完成します。

配管に取り付ける際には、直管のサイズに合わせてコンパスや板金ハサミを使って中心部分を切り取り、断熱材の上から巻き付けます。そのままでは外れてしまうため、サヤ止めやビス、パッチン錠止めなどによる固定作業が必要です。

固定後に接合部へ残るすき間については、コーキングを施して埋めます。

フランジカバーの種類

フランジカバーには、取り付ける際の条件に合わせて以下のように様々な種類が用意されています。

• フランジカバー
• 片フランジカバー
• 三ツ割フランジカバー（T字・Y字・L割）
• 四ツ割フランジカバー
• 変形フランジカバーなど